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ATP HPの記事「Better Tennis Through Data」(2014年5月10日)より

Gilles SimonJarkko NieminenのコーチであるJan De Wittに、ビデオ分析ソフトウェアSportsCodeの利点について、そしてスタッツ情報を選手に明らかにする上での最善の方法について話を聞きました。

コーチはいま、これまでになかったようなツールを使えるのですか?

たくさんのツールがあるよ。肝心なのは、あなたはどれを使いたいの?ということさ。本当にいろんな種類のものが販売されている。ATPワールドツアーやトーナメントなら、試合のビデオは手に入るし、ホークアイがSAPによって編集されたスタッツ情報が使える。

試合を分析する上で、好んで使う方法はありますか?

何と言ってもビデオを使うことさ。ATPのデータ以外には、SportsCodeというプログラムがあるんだ。それを使えばビデオをシーンごとにカットし、選手が簡単に見て理解できるように準備することができる。自分の選手のゲームの中での弱みを見つけ、そしてネットの反対側にいる対戦相手の弱みも観察できる、とても大事なツールだよ。ビデオを見せるのは、時には言葉で説明するよりはるかに簡単だ。

彼らのプレー中にもSportsCodeを使っているのですか?

SportsCodeはゲーム後に使っている。まず試合を録画し、ソフトウェアの中に取り込む。そしてチームスタッフがそれにタグ付けすれば、どんなシチュエーションでも呼び出し、編集することができるようになる。例えば、プレーヤーBがセカンドサーブをボディにリターンして成功した、すべてのシチュエーションを探し出すことができる。どんな数のシナリオでもワンクリックで結合できて、一番特徴的なシナリオを選手に対して見せることができるのさ。選手に多すぎる情報を与えてしまう、なんてことはない。

選手にこれを見せるのは、トーナメントとトーナメントの間の時間のあるときですか?それとも、試合の直後ですか?

試合の記憶が正確な、試合の直後に見せている。それと、選手が次の試合に備えるために使うこともある。このテクノロジーがより役に立つのは、適切な作戦を見つけることが難しいときなんだ。もし、選手がその相手に対して最近5連勝しているのなら、彼に余分な新しい情報を与えて頭の中をめちゃくちゃにする必要はない。

手に入れた情報を、どのように扱いっているのですか?

例えば、SAPとホークアイには10ページの情報がある。やるべきことはそれをただクリックし、求めることだ。コーチにとっての鍵は、役に立つのはどんな情報か、そして持っておくのには良いが役には立たない情報はどれか、ということだ。僕たちの仕事は、選手のために情報をふるいにかけてやることなんだ。
選手に正しい情報を伝えるために前もって行うべき作業はたいへんだ。僕は、手に入れた情報の5パーセントだけを彼らに与えている。

もっと時間があれば、ストロークのテクニックやその他のことについても、テクノロジーを使うつもりですか?

もっといい画像を、もっといいアングルで、もっと正確にそれを見せてくれる他のテクノロジーがあるよ。スマートフォンやタブレットで使える手ごろな価格のアプリケーションはたくさんあるけど、それらを使うためにはトーナメント中にもっと時間の余裕が必要だね。

他のスポーツのテクノロジーで、テニスに役立ちそうなものはありますか?

そもそも、SportsCodeはテニス以外のスポーツからやってきた。オーストラリアンルールのフットボールで使われていたし、そしていまNBAでは絶対的な存在だ。バスケットボールでは、このソフトウェアはテニスよりもっと特化して使われている。テニスに合わせてこのソフトウェアを向上させるためには、ソフトウェアの開発者ともっと密に動かなくてはならない。つまり、他のスポーツから学ぶことができるというのは間違いない。

こうしたテクノロジーの進歩は、選手のパフォーマンスやテニスのスタンダードに直接的に影響を与えますか?

こう答えさせてほしい。バスケットボールにしろバレーボールにしろ、最高のレベルでこれを使わなければ、最高のレベルで戦うことは不可能なんだ。テニスでは、それが逆だ。誰もが、そんなものまだ必要でないと考えている。自分たちは十分に能力があって、そんなテクノロジーがなくても、あらゆることができると思い込んでいる。でもこのマインドセットが変わるのも、時間の問題だろう。

(翻訳:橘 肇)

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