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オーストラリア・ニューサウスウェールズ州スポーツ研究所(NSWIS)訪問リポート

2002年10月、私たちADSSスタッフは、「スポーツコード・デジタルビデオ分析システム」が開発された国、オーストラリアを訪れました。この訪問の目的はオーストラリアのユーザーを訪問して、このシステムを現場で活用するためのノウハウを学び、日本のユーザーに還元することでした。【注意】文中の情報はすべて2002年10月当時です。

トップアスリートをサポートするNSWIS

nswis12000年シドニー五輪の会場だったオリンピック・パークの中、うっかりすると見過ごしてしまいそうな簡素な入り口の奥に、男子競泳のイアン・ソープをはじめ各競技の世界チャンピオンを多数抱える「ニューサウスウェールズ州スポーツ研究所(NSWIS)」の本部がありました。

NSWISはオーストラリアの6つの州にそれぞれ設置された地域スポーツ研究所のひとつで、政府と民間企業の出資で96年に設立され、現在では30以上の競技で約700人の選手を支援しています。NSWISのコーチ&アスリートサービスでスポーツコード・コーディネーターを務める、Troy Baker氏の案内で、NSWISにおけるスポーツコードの活用について話を聞くことができました。

スポーツコードの開発・発展・活用

nswis2スポーツコードの開発が始まった当初から、NSWISはその研究、活用、そして開発側へのフィードバックに深く関わってきました。この写真は、Macintoshコンピュータと液晶モニターが一つのジュラルミンケースに収められた開発初期のプロトタイプです。

現場でのフィードバックの一つの例を、オリンピック・パークの中にあるプールで教えてもらいました。飛び込み用のこのプールの横にはビデオカメラ、スポーツコードシステム、大型のプロジェクターが設置され、練習の際に1回の試技が終わるとすぐ、選手はその映像を見ることができたのでした。
nswis3もちろんただ再生するだけではビデオテープと変わりませんが、スポーツコードならスロー、コマ送りだけにとどまらず並行再生、オーバーレイ再生、過去の映像データとの比較まで、選手・コーチの要望に合わせてその場ですぐに作ることができるのです。シドニー五輪では、NSWISでトレーニングを行ったGilmore, Tourky組が、1924年のパリ大会以来、オリンピックのこの競技でメダルのなかったオーストラリアに銅メダルをもたらしました。

このシステムがコンピュータの高性能化、小型化に伴って、現在のようにノートブックコンピュータ1台でスタジアムのスタンドへと持ち出せるようになったのです。

各競技へのトレーニング&レンタルシステム

NSWISは6台のスポーツコードを所有しています(2002年10月当時)。これをNSWISが支援している約30の競技で使用しています。スポーツコードを使用しようとする競技の担当者たちはまず、NSWISにやってきて基本的な使用法の講習を受けることになっています。

nswis4講習の後、コンピュータや外付けのハードディスクといったスポーツコードシステム一式を借り受け、大きな試合に備えた対戦相手の分析や、遠征や合宿先でのトレーニングに使用するのです。各競技で作られ、ハードディスク内に保存されたデータは、NSWISにシステムが返却された後も保存されるので、各競技の分析担当者はNSWISに来さえすればいつでも過去のビデオデータベースを参照できるようになっています。

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