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スポーツテック社ニュースレター2011年9月号の記事より翻訳 (写真とも)

コーチからの「挑戦」

ホッケーのシンガポール代表チームのコーチを務めるSolomon Casojeeさんが、あるとき私たちに対して「通常のライブコーディング以上に、もっと何か発展した使い方はないのかなあ?」と問いかけてきました。
SolomonコーチはSportsCodeに通じている人です。
彼がいま望んでいるのは、アシスタントコーチやマネージャー、選手たちが”Shots at Goal”、“Goals”、“Penalty Corners”、“Building out of Defense”といった、ゲーム中の特定のイベントにすぐにアクセスできるようにしたい、ということなのです。

そこで、私たちは今までにないソリューションを提案しました。それは会場にAirport Extremeを使って無線ネットワークを構築するというものです。GameBreaker Plusのインストールされた3台のMacBook Proを選手のベンチに設置し、SportsCode Eliteの入ったノートブックをアナリスト用にゴール裏に設置します。ここがデータ配信のメインポイントになります。

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スタジアム内のマシンにムービークリップを送信し、即時にレビュー

ライブコーディング&リアルタイムレビュー

コーチとマネージャーはiCODAがインストールされた専用のiPadを持っています。彼らもアナリストと同じように、コーディングを行うことができます。
coach
試合が始まると、アナリストはコーチのリクエストに従ってコーディングを行います。コーチと選手は、アナリストがコーディングしているタイムラインにネットワーク経由でアクセスし、リアルタイムに見ることができます。このビデオを見ながら、コーチはトランシーバーを使ってチームとコミュニケーションを取るのです。その目的はチームとして機能すること、チームとしての分析を行うこと、チームとしての決断を下すことにあります。そして最終的なミッションは、パフォーマンス分析の重要性を選手たちに理解させること、そしてビデオは彼らの向上を強力に証明してくれるということを信じ込ませることにあります。

ゲームの流れについて何が重要であるかについてのコーチの考えはひとつ、フィールドホッケーは決断を刻一刻と下さないといけないゲームだということです。ことにセットプレーやペナルティコーナーに関してはそうです。この「ライブフィードバック」のために、私たちはリアルタイムに狙った分析を行うことができるようにしただけでなく、もう一歩進めて、編集したムービークリップをコーチのiPadに送り、レビューし、議論し、決断することができるようにしたのです

スタジアムをカバーするネットワーク

無線のネットワークによって、アナリストはタイムラインから出力したムービークリップをといった情報を、いろいろな場所にいるそれぞれのスタッフに対し、送ることができるのです。情報を誰もに届けるには、特に選手に対してはこの柔軟性こそが必須なのです。

ゲーム中、何らかのイベントから1分もたたないうちに、コーチやアシスタントコーチ、マネージャー、選手はiPadやMac上でそのシーンをレビューすることができます。これこそが、コーチからリクエストされた情報を私たちがどれだけ早く届けることができているかを証明しているでしょう。コーチが「見たい」と言うたびにベンチに走っていく必要はもうないのです。アナリストたちから、ベンチに向かって駆けていく「スプリンター」としての負担を取り去り、コーチのレビューのためのムービークリップを増やすことに成功しました。

試合の間に、プレーヤーが自分自身でコーディングしたものも含めると、平均して1500ものムービークリップが作られます。
コーチにとって最も印象的だったことは、ビデオで証拠をすぐに見られるということだけでなく、自分自身の発見をコーディングしておけるということです。これはSolomonコーチにとって、アナリストの視点だけに頼った分析から、自分自身の視点による分析能力を身につけたことを意味しました。つまり、自分が見たいもの、自分が分析したいことを完全に掌握できたのです。

ミーティングを進化させるテクノロジー

チームは情報の重要性がビデオという「証拠」によって裏付けられるということを理解しました。視覚的な情報は言葉よりもずっとパワフルです。Solomonコーチは、テクノロジーによってチームのパフォーマンスに変化をもたらすことができると信じています。以前のミーティングはコーチがしゃべって選手はただ聞いているだけでしたが、もっとディスカッションを中心としたものに変化しました。チームの私たちに対する要望は、以前は「アナリストをもっとシステムに習熟させてほしい」だったものが、今ではそこに「選手にもシステムについての知識を持たせてほしい」が加わりました。
U18とU21の代表チームでSportsCodeのサポートを始めて3ヶ月後、グループ内での情報の共有、ディスカッション、意志決定という点において、チーム全体の構造はよりダイナミックになりました。日々の日課へのSportsCode導入という新しい習慣は、シンガポールで行われたU18アジアカップでの4位、そして香港で行われたU21AHFカップでの2位という、2つの大会の歴史的な結果をもたらしたのです。
http://www.asiahockey.org/Pages/Competitions.html
Leeza Noordin氏(スポーツテック・サウスイーストアジア)

(翻訳:橘  肇)

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