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ビデオルームにて:Dan Craig(マイアミ・ヒート、ビデオ・コーディネーター)が打ちあける舞台裏
NBA.COMの記事より翻訳 (画像とも)

[注意]長文ですので、日本語訳は最初の一部のみです。また慣用句や言い回しが非常に多いため、翻訳の正確性は保証いたしません。何かお気づきになりましたら、原文の英語をご参照ください。

Erik Spoelstra(ヘッドコーチ)を知らないヒートのファンはいない。おそらく数人のアシスタントコーチのことも知っているだろう。しかしビデオ・コー ディネーターのDan Craigを知っている人は、ほとんどいないだろう。彼がビデオルームからめったに出てこないからというのは一つの理由だが、それよりもビデオルームにい る「やつら」のような細かいことを気にする人など、世界中探してもまずいやしない。
しかし彼らは、試合に関するすべてのことに対して準備をしてい る。その中には、試合の中でまず起こりえないようなことや、絶対にプレーオフで対戦しないような相手のことまで含まれるのだが、プロセスの中ですべての チームに対して「何がそうさせるのか」を突き止めていくのが彼らの仕事なのだ。
東カンファレンスのファイナル、セルティックス戦への準備の合間を割いて、私たちはビデオルームで語り合った。

Couper Moorhead (HEAT.com)
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(写真:右側の人物がCraig氏)

Q. 2つのチーム(訳者注:セミファイナルのもう一方、ボストン・セルティックスとフィラデルフィア・76ers)の準備をするのは大変だった?インディアナでのセミファイナル第6戦のあと、飛行機に乗ってからビデオルームのみんなはどんな行動をとったの?

い つも大変だよ。やることは山ほどあるさ。いまファイナルに向けてのまっただ中だし、何ひとつ残さず、すべてやっておきたいんだ。基本的にはまず、第7戦が スタートする前に両チームがやるだろうことにアプローチをした。僕たちは集合し、スタッフたちも集合した。両チームに同時に取り組む者もいれば、ボストン にフォーカスした者もいた。第7戦の開始前までには、ボストンの分析も、フィラデルフィアの分析までも終わっていた。ゲーム後にどんな準備が必要だったと しても、コーチ・Spoのもとにそれが準備されているためにね。もちろん、自分が分析に取り組んでいるチームのひとつが、もう一方のチームの分析の価値を 減らしてしまうこともわかっているけどね。

レギュラーシーズンの間、対戦したシリーズのすべての映像を見てきた。プレーオフもそうだ。 セットに分割したものを見たし、セットの中の傾向についても見てきた。そうして、個々の選手の傾向についてもそれぞれ編集したものを作った。何をやってく るのが好きなのか、シュートのフェイクなのかスクリーンのテクニックなのか、左にドライブするのか右にドライブするのか、こんなちょっとしたところを詳細 に観察して、編集したものの中に一緒にして、選手たちが首尾一貫して見ることができるようにするんだ。そうすれば、選手たちはその傾向を飲み込むことがで きるようになる。さらに、キーになるセットの映像も提供している。これが、そのチームに対する準備を終えるときにはいつでもやっていることだ。選手たちは DVDで、iPadで、Bookでそれをレビューできるんだ。

Bookには、それぞれの選手について1枚ずつのページがある。そこにはメ インのセットが3種類、すべての傾向、どんなプレーを好むか、年間とプレーオフのスタッツから抜粋した情報もある。このBookを作ることに専念するス タッフと、ビデオの編集に専念するスタッフがいる。これが今まで72時間の間、僕たちがせっせと取り組んできたことさ。

この3日間、寝たのは何時間?

というより、寝る暇もなかったってとこかな。できることはすべてやっておきたい。2つのチームがまさに対戦しようってとき、一か八かに任せるなんてことは何一つ残しておきたくないよ。

時間的に切羽詰まっているとき、まずフォーカスすることは?

時間が差し迫っているときには、何か一つ、コーチが見るためのものができあがっているようにすべきだ。それをいつも心に留めているよ。実際、シリーズの勝敗 が決まるゲームのとき、もしそのゲームに決着をつけたなら、さらにいくつかの仕事をすませる必要がある、そういう可能性を自分はわかっていた。コーチが見ることのできる何か、それを持っておきたいと思うことだね。それこそが第一の優先事項さ。コーチは必ずしも、それをいつもすぐに欲しがっているわけじゃな い。けれども優先事項であるべきなんだ。彼に尋ねられたときにすぐ出せるよう、何かを形のあるものにしておかないといけないんだ。

自分のやっている仕事の半分が必然的に「ゴミ箱行き」なのは納得ずくなんだね?

Stan(Stan Van Gundy前ヘッドコーチ)の時代、ニューオーリンズ戦を終えたときのSpoの思い出があってね。Dwyane Wadeの最初のシーズンだったよ。悪夢だった。シーズンの最後の夜、似通った3つのゲームがあった。そのうち最も起こらないと思っていたひとつのシチュエーションが起こり、ニューオーリンズ戦が終わったときには誰も準備なんかしちゃいなかった。みんな他のゲームに向けての準備をしていたからね。結局徹夜して、詰め込み作業で何とか翌朝までになんとか準備を終えることができたけどね。

アリーナで寝ちゃったことなんてないの?

ソファの上で寝てしまったことが何度もあったよ。何とかそれは避けようとしたんだけど、過去にはあったね。

Synergy Sports(すべてのNBAとNCAAのビデオについて、ポゼッションなどのカテゴライズをサービスしている会社)と、自分たちの所有しているソフトウェアの利用の割合はどのくらい?

使っ ている情報の90パーセントは自分たちのソフトウェア、つまりSportstecからだね。Synergyはドラフトのためにはいいよ。特にマネジメント の側にはね。特にそういう男たちにとっては、僕らの方法には合わないようなどんなランダムな編集でも、例えば「2、3年前の特定のチームを見て、彼らが何 をやっていたか」なんてものでもね。僕らはそんな映像を、自分たちのサーバーには保存しておかないかもしれない。だからSynergyも採用したのさ。
僕 らはSynergyを自分たちのソフトウェア(SportsCode)に変換して取り込めるようにセットアップしている。とってもいいよ。夏の間のいくつ かのプロジェクトなんかには、Synergyは必要なものを見つけるのに役立った。でもシーズンに入ると、僕らの仕事の90パーセントはチームのサーバー と自分たちのソフトウェアを使って行われているよ。

Synargyが入ってくる前に、Sportstecを採用していたの?

そうだ。自分たちがSportstecにスイッチした同じ頃に、Synergyも舞台にあがってきた。Sportstecもその頃、NBAにどんどん進出してきた。彼らは驚くべき仕事を成し遂げたよね。NBAチームの90パーセントが持っているんじゃない?

SportsVuカメラ(視覚的なトラッキングデータ・・・ポゼッションごとのドリブル、平均速度、オフェンスの選手とディフェンスの選手の間の距離などを提供する)についての考えを聞かせてくれないか?

聞いているよ。常に進化しているね。テクノロジーはクレージーだ。1年後にどうなっているか、5年後にどうなっているか…5年後にどんなふうになっているかなんて、誰が分かる?

まだ自分ができそうにないと思うことって、何かある?

ほ とんどの場合において、すべてのことができると思う。効率の問題だ。そここそが、テクノロジーが鍵になっているところだ。それこそが、こうした会社に自分 たちが投資している理由だし、彼らは常に進化し続けているし、もっと多くの仕事をできるようにしてくれる。まさに祝福と呪いさ。

このポジションについたとき、自分がやるべきすべてのことを、どのくらい理解していた?それはプロセスかい?

間 違いなくプロセスだったさ。特にSpoと緊密に働いてきたこの9年から10年の間というものはね。はじめてここに来たとき、NBAについての学習曲線が あった。術語というべきかな。たくさんのチームが似通ったディフェンスシステムを取っていた。だからどんなディフェンスをするかによって、オフェンスを予 測することができた。もっとそれに慣れてくると、なにを探せばいいかが分かってきた。それはより簡単になり、プレイコールを知るようになってきた。いった んプレイコールを知れば、プレイコールの中にある傾向が分かるようになってくる。つまり、そこには常に進化がある。それぞれ個別のチームへの準備を進めれ ば、それはNBAというものを本当に知ることにつながる。選手のことを知れば、コーチのことを知ることになる。ポストアップのチームか?キャッチ&シュー トのチームか?この見方からすれば、以前よりもずっとずっと簡単になっているよ。

前のビデオ・コーディネーター(Erik Spoelstraヘッドコーチ)をボスとして仕えるのはどう?あなたのやることを理解しているし、共通言語を持てるから、やりやすいんじゃないかと思うけど。

彼 の下でアシスタントとして働くチャンスを持てて、僕は幸運だよ。彼がヘッドコーチになったとき、彼がそれまでどう働いていたか知っていたからね。僕は、彼 が何を欲しがっているか知っていたし、その意味では簡単だった。新しいコーチとの関係を築く上で、彼の判断基準が何であるかを本当に知っていないとそれは 難しいからね。本当によかったよ。コーチに彼が必要としているものを提供しようと思ったら、コミュニケーションこそが大事な側面だ。誰かと密接に仕事して いるとき、そこには、彼が言ったひとことの裏に、いくつかのことが隠れていることを読み取れるだけの親近感がある。彼があることを言ったとして、彼はその すべてを欲していないかもしれない。その中の「核」だけを欲しているかもしれない。僕は彼のために、ある種物事を単純化してあげることができる。できる限 り助けになるようにしているんだ。

(翻訳:橘  肇)

 

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