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第9回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2015年)「Always Improve」

2015年は、スポーツ情報分析のためのソフトウェアやスポーツデータの提供を行う企業が増えてきた中、私たちが提供できる価値、情報は何だろうか?ということを考えました。テーマは「Always Improve」(常に向上せよ)と掲げ、ユーザーのかたにとって「向上のヒント」になる情報を提供しようという狙いのもと、2つの新しい試みを行いました。競技スポーツの現場の人ではない講師の招聘、それから2010年まで開催していた「ユーザーリポート」の復活版として、学生対象のショート・プレゼンテーション・コンテストです。

Sportstecからのゲストは、オーストラリアのセールス&サポートを統括するMichal Conlan氏を招きました。この年は、カンファレンス前日(4月3日)に、日本スポーツアナリスト協会(JSAA)主催のセミナーにて講演の機会をいただきました。

<開催日>
2015年4月4日(土)10:30~19:00

<会場>
品川区立中小企業センター

<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時、敬称略
10:30~ 開会あいさつ
10:35~ 講演
“Unlocking Your Potential – The Way to Empower Better Performance”
 Michael Conlan(Sportstec Australia Manager)
12:45~ 講演・ワークショップ
「チームパフォーマンスを高めるためのコミュニケーションの向上」〜 チーム医療のためのメソッド ”TeamSTEPPS” から 〜
 鈴木 真(医療法人鉄蕉会 亀田総合病院 産婦人科 産科部長 総合周産期母子医療センター長)
14:45~ 講演
「学校教員からキヤノンイーグルス・U-20代表アナリストへの軌跡」
 吉田 享(キヤノンイーグルス 分析)
15:40~ テクニカルインフォメーション
「スポーツコード・ユーザーのアンケート結果から」
16:15~ ショート・プレゼンテーション・コンテスト
 本山 貴士(株式会社スポーツプログラムス)
 廣澤 聖士(慶應義塾大学大学院)
 新井 翔太(中京大学大学院)
17:30~ 懇親会

アナリストから、サポートする立場に

41名の参加者が集まったこの年は、まずMichal Conlan氏(Mickさん)の講演からスタートしました。前年のMatt Toulsonさんと同じように、Mickさんもオーストラリアン・フットボール・リーグのチームでパフォーマンスアナリストを経験し、その後、スポーツテックに加入してオーストラリア地区のエリア・マネージャーを務めています。チームをサポートする仕事に一区切りがついたら、次は幅広くたくさんのチーム、たくさんの競技のチームのパフォーマンス向上をサポートしてみたい…そんな転身もいいのではないのでしょうか?

「考え方を創り出す」

講演の内容は、他競技から学ぶこと、「Creating Thought」(考え方を創り出す)、アナリストの1週間、データにフィルタをかけていく方法といったテーマに沿って進んでいきました。一貫したコーディングということはMickさんも強調していて、そのために複数のゲームのデータベースを作る際、1行のみで整理するという方法はむしろ斬新に見えました。もちろん目的次第ですが、多すぎるコードボタン、ラベルが必ずしも良いというわけではない、というのはサポートをする自分も気をつけていたいと思います。 Mickさんの講演も、こちらで見ることができます。

チーム医療から学ぶ

次の講演をお願いしたのは、亀田総合病院の産科部長の鈴木真様でした。鈴木様は周産期(妊娠〜出産後まで)の緊急医療の事故防止、安全性の向上のために様々な活動をしておられ、その中のシミュレーショントレーニングの講習会をお手伝いさせてもらっています。そのカリキュラムのひとつに「チームステップス(TeamSTEPPS=医療のパフォーマンスと患者安全を高めるためにチームで取り組む戦略と方法)があります。この講義をいつも聞いていて、アナリストの役割や立場に役立つものがある!と思い、医療関係者(医師、看護師、助産師)を対象に行っているワークショップをそのまま行ってもらいました。作業を通じて課題の発見、ディスカッション、改善のサイクルを体験したり、錯覚や周辺情報にいかに惑わされやすいか?ということを実体験してもらいました。

つながりが開く道

次にご登壇したのはキヤノンイーグルス、ラグビーU20日本代表のアナリストの吉田享様。タイトルの通り、学生時代にスポーツコードに触れ、卒業後に高校の教員になり、その後縁あった社会人ラグビーチームのアナリストにという経験をお持ちです。単一のチームと、代表チーム、特にU20というカテゴリーの代表チームで求められるものの違い、そこでの仕事の内容についても実際の経験をもとに語ってくださいました。「日本代表チームのアナリスト」というポジションが決して遠くではないということを、特に大学生の参加者が受け止めてくれていればと思います。

水野によるテクニカルインフォメーションのコーナーは、「スポーツコードユーザーへのアンケートから」。事前にユーザーの皆様にアンケートをお送りし、いただいた答えを集計結果をご紹介していきました。この結果は、弊社スポーツコードのサイトに連載記事として掲載していますので、ぜひお読みください。

【スタッフブログ・水野英治】「よく使う機能について」

フィギュアスケートの分析の試み

そして最後に、この回のポイントのもう一つ、学生の「ショート・プレゼンテーション・コンテスト」を行いました。参加してくださったのはいずれも、この年に開催した「アナリスト体験セミナー」の参加者3名でした。弊社の本山は大学野球の経験を生かした配球についての分析を、廣澤様はフィギュアスケートの分析を試み、「要素間のつなぎ」に着目して斬新ですばらしい発表を、そして大学のハンドボール部のコーチだった新井様は社会人チームの試合を題材に、シンプルですが分かりやすい分析を発表してくださいました。そして参加者の投票の結果、廣澤様が最優秀賞に選ばれました。

ここまで9回の連載、お読みくださりどうもありがとうございました。いよいよ明日となりました。第10回カンファレンスでお待ちしております。
*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。

*当時ご参加されたかたで、写真のご希望がございましたらお送りします。ご連絡ください。
(文:橘 肇)


(写真ご提供:月刊トレーニング・ジャーナル様)

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