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第7回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2013年)「情報分析の”道”を創る」

まずはじめに第10回カンファレンスにつき、締め切りを前に定員に達する多数のお申し込みをいただきました。この場を借りて、心から感謝を申しあげます。

さて、2年の休止期間をおいて、ユーザーカンファレンスを再開したのは2013年のことでした。この頃は、大阪体育大学や桐蔭横浜大学などにスポーツコードを備えた分析実習ルームが設置され、また筑波大学、白鴎大学、仙台大学などで、情報分析の実習授業の臨時講師を私たちが担当させていただくことが増えていました。

そんな背景から、この年の全体テーマは「情報分析の”道”を創る」 と定め、「情報分析」でスポーツ界に新しい“道”を切り開いてきたスペシャリストのかたがた、そして次代を担う人材 の“道”を開くため、環境と機会の整備に力を注いでおられる大学の先生を講師にお招きすることにしました。

初めての会場となった品川区立中小企業センターに、43名のご参加者が集まってくださいました。

<開催日>
2013年3月23日(土)10:30~19:30

<会場>
品川区立中小企業センター

<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時、敬称略
10:30~ 開会あいさつ・イントロダクション
10:50~ 基調講演
「情報分析の“道”を創る ~ バスケットボール日本代表での取り組み ~ 」
 恩塚 亨(バスケットボール女子日本代表テクニカルスタッフ)
13:00~ 特別講演&パネルディスカッション
「日本ラグビー界の”テクニカル”、歴史と未来を語ろう! 」
 宮尾 正彦(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
 秋廣 秀一(NECグリーンロケッツ)
 前田 祐樹(豊田自動織機シャトルズ)
15:15~ 特別講演
「情報分析を学ぶための環境整備について」
 梅林 薫(大阪体育大学 体育学部 健康・スポーツマネジメント学科 教授)
16:15~ リポート
「2012年ロンドンオリンピック ホッケー予選大会から」
 水野 英治(ホッケーロンドンオリンピック予選男子日本代表サポートスタッフ、 有限会社フィットネスアポロ社)
16:45~ 新機能紹介&デモンストレーション
 SportsCode 9 / CODA & iCODA2
18:00~ 懇親会

情報分析を通じて「あなたの役に立ちたい」

全体テーマである「情報分析の“道”を創る」というタイトルでの基調講演をお願いしたのは、当時のバスケットボール女子日本代表テクニカルスタッフであった恩塚様です。

「どうしても日の丸をつけてバスケットがしたい!」と思い立ち、自らスポーツコードを購入してボランティアでサポートを始めるところから、バスケットボール協会の中に情報分析のチームを作り上げるまで過程は、まさに今回のテーマである「“道”を創る」を体現されていました。その過程で何よりも大事だったことは、まずスタッフや選手との間の「信頼関係」を築くこと、そして「情報分析という仕事を通じて、あなたの役に立ちたい。」という気持ちであるというお話は、情報分析というデジタルなものであっても、それが活かされるにはアナログな人と人との関わりあいが基本であることを、改めて強く感じました。

日本代表の歴史が一堂に

午後の最初のセッションは「日本ラグビー界の”テクニカル”、歴史と未来を語ろう!」をテーマに、3名の元日本代表テクニカルのかた、宮尾正彦様(トヨタ自動車ヴェルブリッツ – 当時)、秋廣秀一様(NECグリーンロケッツ – 当時)、前田祐樹様(豊田自動織機シャトルズ)がプレゼンターを務めてくださいました。

まずお一人ずつ、それぞれご自身が日本代表テクニカルを務めていたときのお話があり、ビデオテープのコピーとパソコンでの数値計算だった時代から、スポーツコードの導入により、試合中のライブコーディング&レビューへと発展してきた歴史を一気に振り返ることになりました。ここでもやはり、ソフトウェアや機材が発達しても、大事なことは「コーチや選手の要求に答えること」であり、常にそれに対する工夫と努力をされてきた姿が印象的でした。その後、このユーザーカンファレンス初めての試みでもあるパネルディスカッションでは、フロアからも積極的なご質問があり、現場での苦労やそれに対する知恵の数々が披露されていました。

鍵は「スタッフの情熱」

次に特別講演として、梅林薫様(大阪体育大学)から「情報分析を学ぶための環境整備」と題し、大学における情報分析機材の環境整備、そして学生への機会や情報の提供に関する実践報告をいただきました。大阪体育大学様では、他の大学にさきがけてゲーム分析ルームを設け、学生たちが自由に使用できるようになっています。そこでは大学のスタッフが学生のサポートにあたるほか、適宜、講習会やセミナーを開いて最新の情報を提供しています。

他の大学に先駆けてこうした環境整備ができた理由として、「スポーツ科学の重要性の認知」「人とのつながり」「チームワークでのプロジェクト推進」「学内の積極的な申請・提案」、そして先生をはじめとする「スタッフの情熱」を強調しておられました。

競技間、チーム間の交流の促進

交流の最後は弊社の水野英治が「2012年ロンドンオリンピック ホッケー予選大会から」と題し、昨年、岐阜県で開かれたホッケーロンドン五輪予選に男子日本代表のサポートスタッフとして帯同した経験を報告いたしました。

その後の懇親会では、競技の枠を超えた交流、また対戦チームの間での情報交換が盛んに見られ、主催者として、再び開催してよかったとの意を強くできた年でした。

*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。
*当時ご参加されたかたで、写真のご希望がございましたらお送りします。どうぞご連絡ください。
(文:橘 肇)

参考:月刊トレーニング・ジャーナル2013年8月号「ON THE SPOT/現場から」記事


(写真ご提供:月刊トレーニング・ジャーナル様)

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