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第5回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2009年)

回を重ねる中、プロデュースを行う立場として私が考えていたことは、第一にユーザーに質の高い最先端の情報を提供すること、そしてもう一つは、企画する自分がいかに楽しめるか?、裏返せば、いかに毎回違った試みで自分に刺激とプレッシャーをかけ続けることができるか?ということでした。この気持ちは、今も変わっていません。

前年の10月、2年に1度のスポーツテックの全体会議(シドニー)に参加し、各国の仲間たちと話をするうち、情報分析のプロフェッショナルとして働いてきた人物を招きたいと決心しました。そこで、スポーツテック内で非常に評価の高かったSportstec USの東海岸サポートマネージャー(当時)、ウォルト・ロック氏の招聘を交渉し、快くOKの返事をもらえました。さらにカンファレンスの講演1回きりだけでなく、大阪を含めた各地で講演を行い、そのすべての通訳を自分が務める(ここまで海外出張、講演など、すべて弊社副社長の栢野に頼りきりという状況でした)、という自分へのチャレンジを行いました。

<各地での講演>
3月24日(火)品川区にて自社主催セミナー
3月25日(水)武庫川女子大学のイベントにて講演
3月25日(水)西宮市にて自社主催セミナー
3月26日(木)品川区にて自社主催セミナー
3月28日(土)ユーザーカンファレンス

<開催日>
2009年3月28日(土)10:00~19:00

<会場>
ADSSスタジオ

<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時、敬称略
10:30~ 開会あいさつ・オープニングセッション「SportsCode Review 2008」
11:00~ スペシャル・セミナー1
「SportsCode活用テクニック ~ Live Codingを中心に」
 キース・デービス(プロラグビーコーチ)
13:00~ スペシャル・セミナー2
「NBAビデオ・コーディネーターの役割とSportsCode」
 ウォルト・ロック(Sportstec USA East Coast Support Manager)
15:20~ テクニカルインフォメーション
15:40~ ユーザーリポート
 1. 森重 貴裕(鹿屋体育大学)
 2. 早坂 一成(筑波大学大学院ラグビー研究室)
 3. 根本 雄一郎(サッカーアナリスト)
 4. 太田 千尋(クボタスピアーズ)
 5. 戸田 紀昭(豊田自動織機ラグビー部)
18:00~ 懇親会

カンファレンス前に行った4回のセミナーでは、集客がうまくいかなかったり、アメリカ帰りのバスケットコーチの質問内容を全く理解することができなかったりと、多々恥ずかしい思いをし、反省ばかりで迎えたカンファレンスの当日でした。カンファレンスの参加者は34人でしたが、自社開催の3回のセミナーを合わせると、合計92人のかたにウォルトさんの話を聞かせることができました。

アナリストとしての心がけ

まず午前中のセッションをお願いしたのは、長年、日本でラグビーのプロコーチとして働いてきた(現在も活躍中)、キース・デービス氏。弊社との関係は、私の入社するずっと前、代々木にスタジオ(C.C.Y.=コンディショニングセンター代々木)があった頃、彼のいたチームがトレーニングに来ていた時からだと聞きます。もちろん、今も変わらずおつき合いが続いています。講演の最初に出てきた彼の職歴を見てびっくり、まず国がイギリス、オーストラリア、日本の3国に渡り、職種は大きく分けてアナリストとコーチの2つ、さらに競技もラグビーだけかと思いきや、テニス、ローンボウル、サッカー、ホッケー、サーフィン、スカッシュ、バスケットボールまで!

もちろん、チーム、スタッフとの考えが合う合わないというのはあるでしょうから、一概に数が多いのがいいかというとそうでもないでしょう。しかし、この幅広さはやはり彼の能力を示していると私は信じています。キースさんの話の中で印象に残ったことを一つ挙げれば、「アナリストとして常に心がけていること」と題した7つの項目で、どれも非常に大事な言葉なのですが、その最初にあった”Video doesn’t lie but it can destroy….Be positive.”というのを、私も自分自身を戒める言葉としています。

NBAビデオ・コーディネーターの衝撃

昼食をはさんで、ウォルト・ロック氏の講演です。NBA(シアトル・スーパーソニックス=今は存在しないのですが)で「ビデオ・コーディネーター」として長年働いてきたウォルトさんの話、私はこの日までに4回通訳する中で、その刺激的な内容にすっかり「これがプロの仕事だ!」と感動していました。このウォルトさんの講演は、先日YouTubeにアップしましたので、ぜひ、直接聞いてもらいたいと思います。もう7年前の話ですので、スポーツコードの機能や使い方は今の方が進歩しているところもありますが、その仕事への責任感、姿勢については刺激を受けること、今見ても変わりません。

Walt Rock at 2009 SportsCode User Conference(前半)

Walt Rock at 2009 SportsCode User Conference(後半)

分析に未来を賭ける

この年から最優秀賞に「ゲームブレーカープラス」を贈呈することにしたユーザーリポートでしたが、それぞれに個性的なリポート5題が集まりました。中でも根本雄一郎様は、このカンファレンス史上、初めてサッカーのゲーム分析で発表をしてくれました。この1年ほど前、根本様はスポーツコードの代理店である弊社を訪ね、自分には選手としての実績はない、けれどもどうしてもサッカーのコーチになりたい、そのために「分析」を自分の武器にしたいと熱く語りました。そして「これに賭けます。」とスポーツコード(プロ)をご自分で購入したのでした。このカンファレンスの頃は、ちょうどあるJリーグのチームでボランティアで分析の仕事をさせてもらっているところでした。その後、根本様がいろいろなチームでコーチの経験を積み、今では大学のサッカー部の監督をなさっているというのは嬉しいことの一つです。

肝心なのは「人」

この年はやはりキースさん、ウォルトさんの話の面白さに尽きました。スポーツテックの価値はスポーツコードというソフトウェア、商品にだけあるのではなく、その人的リソースにもあるのだと改めて自信を持ち、この人たちの話を日本のユーザーに紹介していくことが自分の使命の一つと感じました。

*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。

*当時ご参加のかたで、写真のご希望がございましたらお送りします。ご連絡ください。
(文:橘 肇)

参考:月刊トレーニング・ジャーナル2009年6月号「ON THE SPOT/現場から」記事

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