記事の詳細

第4回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2008年)

北京五輪の開催年であるこの年は、初めて全体テーマとして「世界で戦う。世界と戦う。」を掲げました。

この前年の2007年は、日本スポーツコード史上の大きな転換点でした。「ラグビー日本代表への導入」が実現し、その年のラグビー・ワールドカップで実際に使われた年だったのです。過去のカンファレンスで話したことがありますが、2007年4月22日の秩父宮での韓国戦、アナリスト席に設置されたスポーツコードの後ろで国歌斉唱を聞いた瞬間、思わず涙が出たことを思い出します。その日本代表でテクニカルコーチを務めた2人のうちのお一人、古田仁志様(現:国士舘大学体育学部准教授)がご講演を引き受けてくださいました。さらに、前年は中止したユーザーリポートも、6題のご応募で復活しました。

<開催日>
2008年3月22日(土)10:30~19:00
<会場>
ADSSスタジオ(2階)
<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時
10:30~ 開会あいさつ・オープニングセッション
10:50~
 キーノートレクチャー「SportsCodeレビュー2007」
 テクニカルインフォメーション「最新バージョン7」
14:15~ スペシャルレポート
「分析のその先に~フィードバックの重要性について ラグビー日本代表での実例紹介」
 古田 仁志(三洋電機、日本eコーチング協会理事長、2007年ラグビー日本代表テクニカルコーチ)
「日本テニス協会ナショナルチームにおけるテクニカルサポート」
 池田 亮(国立スポーツ科学センタースポーツ情報研究部情報処理技術者、財団法人日本テニス協会ナショナルチームテクニカルスタッフ)
15:20~ ユーザーリポート
 1. 臼井 伸尚(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
 2. 西村 一帆(東海大学体育学部)
 3. 更岡 洋輔(慶應義塾大学)
 4. 齋藤 実(専修大学)
 5. 金保 孝周(国際武道大学ハンドボール部)
 6. 窪田 邦彦(合同会社ベストコンディションKJ)
18:00~ 懇親会

前年と一転…収容できない!?

この年は前年とうって変わって参加の申し込みがどんどん集まり、直前でとてもスタジオで収容できそうにない見込みとなったのです。さあどうする?今から別会場を探してはいられない!となった時、ちょうどスタジオの2階のテナントが退去して空いたばかりだったのを思い出したのです。それからは旅行中の大家さんをキャッチして使用許可をいただき、大急ぎで掃除をし、さらにレンタルでテーブルと椅子を揃え…、過去最多の参加者47人、そしてスタッフ延べ27人(この年は新人研修と兼ね)、計70人余りを収容する準備が何とか整いました。

ゲームブレーカープラスの充実

オープニングセッションの後、まずリリースされたばかりのバージョン7(V7)について私からご紹介しました。V7で追加された機能としては、「ムービーとタイムラインのスタック」「選択した行からのタイムラインの作成」「エクスクルーシブリンクのPro、GBPへの追加」などが挙げられます。特にゲームブレーカープラスの機能が充実し、使いやすいモデルとなりました。

世界で戦うための準備とは

昼食を挟んだ午後のセッションは、「世界で戦う。世界と戦う。」のテーマにぴったりの講演から始まりました。「分析のその先に〜フィードバックの重要性について ラグビー日本代表での実例紹介」と題した古田様の講演は、3代にわたる日本代表監督と共に働いてきたご自身の経験から話が始まりました。前年、カーワン・ジャパンのスタートとともに導入されたスポーツコードを急ピッチでマスターするため、もう一人のテクニカルの秋廣様と2人で毎日のようにコードウィンドウ作りに没頭していた姿に、仕事に対する姿勢を学ばせていただきました。

テニス協会ナショナルチームテクニカルスタッフ(当時)であった池田様は、テニスの国別対抗戦への準備にあたって、情報発信・収集の計画の立案から、事前情報や試合映像の収集、NTCにおける機器の取り扱いサポートなど、それこそ何でもやりながらご自分のポジションを作っていく過程をお話してくれました。「情報分析」という職域がまだまだ確立していなかった当時、その道を切り拓いてきたのは、こうして献身的に働いてきた人たちだったのは間違いないと思います。

剣道からのユーザーリポート

続いてのユーザーリポート、最初の3題はラグビーに関するものながら、内容は、スキル、戦術、負傷の予防と、それぞれ異なる視点からのご発表でした。そして後半の3題は剣道、ハンドボール、バスケットボールがテーマ。中でも齋藤様のご発表はこれが初めてとなる「剣道」、日本代表チームのスタッフとして世界選手権に帯同した際のテクニカル活動について、貴重な経験談を聞かせてくださいました。例えば、国によってそれぞれ違う「剣風」をあらかじめ選手に知らせておくことで、対処に役立てるといったものです。日本の伝統的な格技である剣道においても、ビデオの収集、分析やテクニカル活動があるということを知ることができ、当時のご参加者もきっと感銘を受けたのではないでしょうか。

そして、北京へ…

終了後は、1階のスタジオに場所を移して懇親会。参加者による投票で、この日のすべての発表の中で最優秀賞に選ばれたのは、古田様でした。この年はMac People(アスキー)の編集部の方も取材に来てくださいました。この懇親会で、Macを開いて操作法を教わる学生、同じ競技の大学・社会人チームのスタッフが集まって情報交換する光景などを見るのは、開催してよかったと思える瞬間です。
そしてこの年の北京オリンピック、スポーツコードを使っていた競技から、最高の知らせが届くのでした。

*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。

*当時ご参加のかたで、写真のご希望がございましたらお送りします。ご連絡ください。
(文:橘 肇)

参考:月刊トレーニング・ジャーナル2008年6月号「ON THE SPOT/現場から」記事
参考:ASCII.jp「Macが支えるトップアスリートの頭脳」記事

関連記事

アーカイブ

ページ上部へ戻る