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第3回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2007年)

2007年のユーザーカンファレンスは、前年(2006年)のサッカーワールドカップ(オーストラリアの予選突破)、日本で開催されたバスケットボールの世界選手権など、スポーツコードの国際大会での活躍を受けての開催となりました。また前年には初めて大阪でのスポーツコードセミナー、またオーストラリアサッカー協会のアナリストを招いてのセミナーと、この当時スポーツテック社が掲げていたメッセージ”Sharing Knowledge is True Power”(知恵の共有が、真の力となる)を日本においても実践しよう、と取り組み始めたところでした。

前回同様、スポーツテック社から海外ゲストを招聘、そして国内ゲストも、日本代表チームに関わった経験のあるかたへの依頼を進めました。

<開催日>
2007年3月10日(土)10:30~19:00
<会場>
ADSSデジタルスタジオ
<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時
10:30~ 開会あいさつ・オープニングセッション「SportsCode、2006年を振り返って」
11:00~ スペシャルレポート1「アメリカ・メジャーリーグ春季キャンプ視察報告」
 石橋 秀幸(ホロスクリエイション代表、慶應義塾大学スポーツ医学研究センター)
 出石  聡(慶應義塾大学體育会硬式野球部)
11:30~ キーノートレクチャー「SportsCode活用の最新情報」
 マイケル・ハニング(スポーツテック社 アジア地区マネージャー)
13:30~ テクニカルインフォメーション1「SportsCodeをさらに生かす、最新の周辺ソリューション」
 SportsCode Stream、CODA、Trak Performance、Movie@Coder
14:15~ スペシャルレポート2「SportsCodeトップユーザーリポート2007」
 1. 小笠原 一生(国立スポーツ科学センター)
 2. 宮尾 正彦(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)
 3. 田口 昌宏(株式会社スポーツプログラムス)
16:20~ テクニカルインフォメーション2「SportsCodeステップアップテクニック」
18:00~ 懇親会

ユーザーリポートの応募がない!

ご覧の通り、この年のプログラムには一般募集の「ユーザーリポート」の時間がありません。過去2回と同じように募集をしたのですが、応募が1件しかなかったのです。2年続けて7、8件のバリエーション豊かなユーザーリポートがあり、それがこのカンファレンスの一つの特徴になると思っていただけに、一時は開催も危ぶんだほどでした。急きょ、数名のユーザーのかたが講演の依頼を快く受けてくださり、なんとかプログラムを作り上げることができました。

さらに参加者の数も、締め切りの時点で20名、最終的に23名と前年から大幅に減ってしまい、せっかく講演を引き受けてくださった演者の方に申し訳ない限りでした。開催時期など理由は考えられますが、振り返って今、当時の募集要項を見てみると日付が「2月19日」、つまり開催まで20日を切った時点で送っていたのです!このころ忙しくなってきたというのは言い訳でしかなく、やはり年間で最も大事なイベントに対する取り掛かりの「甘さ」がこの結果を招いたことを、開催前に反省しました。

「二次的分析」をどう行うか

それでも当日は精一杯のおもてなしをと、13名のスタッフでお迎えしました。午前中は私の2006年のレビューに続き、ちょうどメジャーリーグのキャンプの視察から帰国されたばかりの石橋様が、当時は滅多に触れることのできない、メジャーリーグでの情報分析やビデオ・コーディネーターの役割についての貴重な情報を共有してくださいました。

スポーツテックから来日したマイクのこの年のテーマは「First analysis and Secondary analysis」。スポーツコードのライブ・コーディングが一般的になるにつれ、「ライブで行う分析」と「試合後に行う分析」について、項目、つまりコードウィンドウのボタンをしっかり仕分けておく必要が生まれてきました。試合中に必要な情報が、まさにタイムライン上のインスタンスの部分なら、試合後の「二次的分析」では、インスタンスのない部分に重要な情報が隠れているという考え方です。サッカーで例えて言うなら、試合中のインスタンスが「ボールタッチ」の部分なら、タイムラインのインスタンスの付いていないところ、つまり「オフ・ザ・ボール」の動きを見ようということです。

時代はライブコーディング&レビューヘ

実は「キャプチャ中のコーディング、マトリックスの作成、ムービー&インスタンスムービーの再生」が実現したのはこの頃、V6からなのです。「試合中にパソコン上で追いかけ再生する」「別のコンピュータからネットワーク経由で見ることができる」という考えは、スポーツコードの販売が始まった頃から聞いていたのですが、コンピュータにビデオが録画できるというだけで驚いていた自分達には、とても想像が及ばないものでした。

隠すよりも共有のメリットを

新製品情報をはさんだ、次の小笠原様の講演は今でも語り草になっています。ハンドボール日本代表のスタッフとして帯同した際のご経験、スポーツコードの詳細な使い方を説明してくださいました。特にまたスタッツスクリプトもない時代、コードマトリックスや編集リストのデータからExcelのマクロを使って鮮やかにスタッツシートを作るワークフローには目を見張りました。

続く宮尾様のお話も、まだ社会人チームのユーザーが自チームの活用情報をなかなか明かそうとしなかった中、チームの承諾のもとに惜しむことなくコードウィンドウなども披露してくださった、その後のこのユーザーカンファレンスの雰囲気を形づくる先駆けとなるものでした。

ターニングポイントの2007年

プログラムや集客の面で大いに課題を残したこの年のカンファレンスですが、ユーザーの皆様のご講演はどれも素晴らしく、私の失点をカバーして余りあるものだったと思います。そしてこのカンファレンスからスタートした2007年は、日本でのスポーツコードの歴史の上での、一つの転換点となるのです。

*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。
*当時ご参加されたかたで、写真のご希望がございましたらお送りします。ご連絡ください。
(文:橘 肇) 

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