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第2回スポーツコード・ユーザーカンファレンス(2006年)

4月末の開催となった2006年のユーザーカンファレンスでは、前年の振り返りを踏まえ、2つの新しい試みを行ないました。

一つは海外ゲストの招聘です。スポーツコードはオーストラリアで生まれ、アメリカ、ヨーロッパなど世界中にユーザーを持つソフトウェア。であれば、そうした海外のトップユーザーの最先端の情報を伝えることも私たちの責任と考え、弊社にスポーツコードを紹介してくれた人物であるマイケル・ハニング氏(スポーツテック社 アジア地区マネージャー=当時)を招聘しました。そしてもう一つが、前年、特に導入したばかりの参加者から希望の多かった「基本操作の講習」の時間を設けたことでした。

<開催日>
2006年4月22日(土)10:30〜19:00
<会場>
ADSSデジタルスタジオ
<プログラム> ※ 講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時
10:30〜 開会あいさつ
10:40〜 テクニカルセミナー1「SportsCode V6の新機能と新製品Gamebreaker Plus」
11:10〜 キーノートレクチャー1「Game AnalysisからPerformance Analysisへ」
 マイケル・ハニング(スポーツテック社 アジア地区マネージャー)
13:00〜 テクニカルセミナー1「SportsCodeテクニカルアカデミー」
 1. ベーシックコース「基本操作セミナー」
 2. アドバンスコース「さらに進んだ分析と活用のために」
14:00~ テクニカルセミナー3「SportsCode関連製品の最新情報」
 CODA、トラック・パフォーマンスなどの紹介
14:50〜 キーノートレクチャー2「国立スポーツ科学センターにおけるSportsCodeを用いたゲーム分析支援」
 白井 克佳(国立スポーツ科学センター スポーツ情報研究部)
15:20〜 ユーザーリポート
 1. 小山 孟志(東海大学バスケットボール部)
 2. 南出 恵太(同志社大学ラグビー部)
 3. 長谷川 裕(S&Cプランニング社)
 4. 油谷 浩之(ストレングスコーチ)
 5. 小山 浩(筑波大学附属中学校)
 6. 長谷川悦示(筑波大学人間総合科学研究科)
 7. 今関 勝(有限会社フィットネスアポロ社)
18:00〜 懇親会・ユーザーリポート表彰式

参加者数、拡大!

ご参加者は、前年よりも増えて36名でした。写真のように天気に恵まれたので、受付をスタジオの外に設けることができましたが、自社スタジオが少しずつ手狭に感じてきたのも事実でした。

前年にV6となったスポーツコード、大きな変化は「ゲームブレーカープラス」「プロレビュー」「エリートレビュー」のラインアップへの追加でした。また機能面で「スタッツウィンドウ」が追加されたのはこのバージョンからですが、正直なところ、スタッツスクリプトとボタンや行の名前の関係を当時は理解することができず、エリートのユーザーが少ないのをいいことに、説明を後回しにしていたことを恥ずかしさとともに思い出してしまいます。

Game AnalysisからPerformance Analysisへ

この年と翌年、ゲストとして来日しくれたマイケル・ハニングさん(マイク)は、2000年3月に私がスポーツコードに関わって以来のビジネスパートナー。日本の社会人ラグビー(ブリヂストン、ニコニコドー)での経験と人脈を生かし、ラグビー界へのスポーツコードの営業をサポートしてくれました。このマイクも私にとって感謝しきれない存在です。

そのマイクの講演テーマは「Game AnalysisからPerformance Analysisへ」。これも去年の私のブログの中で、Match AnalystとPerformance Analystの違いについて取り上げましたが、その違いを強く意識するようになったのが、私にとってはこの年のマイクの講演でした。さらにこの頃リリースされた「CODA」を活用して、分析の分担と階層化を行っている組織の例として、マイクの出身地(ダニーデン)であるニュージーランド・オタゴのラグビー協会の例を取り上げていました。その時、「オタゴは人口や環境面でオークランドやカンタベリーには勝てない。その差を埋めるのが、こうした情報戦略なのです。」と語っていたことを、昨年のスーパーラグビーをハイランダーズが制した際、感慨深く思い出しました。

お弁当にもひと工夫

午前中の部が終わり昼食の時間となりましたが、この年は昼食にも一つ企画を取り入れました。それが弊社のニュートリションコーチ(=スポーツ栄養士)である作田雅子がメニューを考案した、「長い会議を乗り切るためのお弁当」です。この年参加してくださった皆さん、午後もエネルギー切れ、集中力切れにならず、乗り切ることができたでしょうか?

複数セッションの課題

昼食の後は参加者にも協力してもらってテーブルを移動し、狭い部屋をさらに半分に区切って、片方では水野が講師となって初心者向けの基本操作講習、もう片方では引き続きマイクが、実際のラグビーのスポーツコードのデータを使って分析の細部を紹介しました。この2セッション方式、自分ではいい案だと思ったのですが、狭い部屋をパーティションで区切っただけでは遮音性に欠けること、またマイクの話はやはり全員に聞かせたかったなという反省もあり、翌年以降は行っていません。しかし、いつか参加者が百人を超えるようになったら、学会のように複数セッションの同時進行を実現してみたい…と夢に見ています。

JISSからのゲスト、白井克佳様はJISSから各スポーツへの競技力向上のためのサポートについて、ハンドボールを中心に話をしてくださいました。この年以来、JISS、JSCのスタッフの方はこのカンファレンスにおいて、メディアにも出てこない貴重なお話を数々聞かせてくださり、これもまた心から感謝するばかりです。

出色だった学生リポート

ユーザーリポートは、この年もバスケット、ラグビー、マラソン、バレーボール、野球と多岐にわたり、そして競技スポーツではない、体育授業研究の分野から2題のご発表がありました。 先頭を切ってくれたのは、前年にインカレで初優勝を遂げた東海大学男子バスケットボール部の小山様です。もちろんゲームブレーカーだけが優勝の理由ではないでしょうが、導入してすぐの大学日本一に、私たちもエキサイトしたのを覚えています。今(2016年)では東海大学の講師として教鞭を執っておられる小山様ですが、こんなふうに学生だったユーザーが教員に、コーチだったユーザーが監督になっていく姿を見ていくことができるのも、こうして長くスポーツに関わっている良さなのかもしれません。

続く同志社大学ラグビー部の南出様の発表は、学生でも、ゲームブレーカーを使っても、ここまでやれるという分析の深さもさることながら、与えられた分析という担当に真摯に取り組む姿勢、そして監督がそれを信頼して任せているという、両者の関係を強く印象付けられるものでした。いいチームはそうした姿勢も含めて、自然と後輩への引き継ぎができていくものだ、という今でも思い出に残るリポートの一つです。

さて、来年は…

前年と同様に懇親会の中で、ユーザーリポートの最優秀賞として、S&Cプランニング社の長谷川様に表彰状と副賞を贈らせていただきました。参加者も増え、懇親会で話をする中でも反応は上々と思えたこの2回目のユーザーカンファレンスでしたが、翌年、思わぬ挫折に見舞われることになります。それでは、また次回。

*講師のかたのご所属・肩書きはすべて当時のものです。
*当時ご参加のかたで、写真が欲しいというご希望がございましたらお送りします。ご連絡ください。
(文:橘 肇)

参考:月刊トレーニング・ジャーナル2006年7月号「ON THE SPOT/現場から」記事

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